■相反する40年の時の流れ
石原都知事の尖閣諸島購入発言後、政府はそれに呼応するかのように野田首相
が国有化を目指して、あらよる可能性を検討すると発言したが、その舌が乾かな
いうちに18日の夕方に玄葉外相が日中国交正常化40周年に当たって、「日中の安
定的な発展に影響を与えることのないように大局的に冷静に対応する」とくぎを
刺すと、買い取りに関する発言はパタリと止まってしまった。例によって民主党
政権は最初のうちは威勢のいい発言をするが、時間に経つにつれて自らの置かれ
ている情況を再認識して発言が後退する傾向があるが、今回もご多聞に漏れない。
こうして考えてくると、今、わが国は沖縄県祖国復帰40周年なのか、日中国交
正常化40周年であるのか、一体、我が国にとって大事なのはどちらであるのかを
問われている気がしてならない。
尖閣諸島購入は勿論、我が国の国家主権を明確にし、我が国土に日本人が誰は
ばかることなく、上陸することができることになるのだが、それは中国という勢
力が尖閣、そして沖縄を併呑しようとしている策謀が明白であるからこそ、緊急
性を要するものなのであって、その不安定要因のもととなっている相手国の友好
を保とうとしているのは実におかしな構図であると言ってよい。
この機会にこそ、どちらを選択するのか、我が国ははっきりさせるべきなのだ
と思う。