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■大阪市は労組との癒着を脱却できるか

2012.03.10

 先日来、橋下市長指導の下、野村市政顧問が全ての大阪市職員に対して、組合
活動の実態を把握するためにアンケート調査を配布も実施しようとしたが、市労
連が猛烈に反発、[府労連]では実施凍結の勧告を出し、ひとまず市側がアン
ケート結果を破棄することとなった。しかし、これまで組合の職務中の組合活動
が公然と行われ、とりわけ選挙においては職務中のメールでの指示や現職首長へ
の後援カードなどの配布活動など頻繁に行われていた。第一、市労連の事務所が
市役所の中にあり、さらに任意団体であるにもかかわらず、賃料も払うことなく
も長い間、借用されていたこと自体、首長と労組との深い癒着があったことは誰
でも知っていたことである。

 従って、その癒着関係の実態を具体的な事例にまとめることを目指して、処分
の対象にしようとしたのが、今回のアンケート調査であった。橋下市長の毅然態
度によって、どうやら組合事務所は市役所から退去せざるを得ない事態となりそ
うであるが、アンケート調査に対する労組の反対は連日の市役所前での情宣活動
や集会など大変なものであった。

 しかし、こと、労組活動について職務中に組合活動をしているのかどうかを調
べるだけであるのに、職員に対する思想・信条に対する政治介入であると声高に
批判した姿をほとんどの市民は鼻白い思いで見ていたのではなかろうか。

 その意味では橋下市長の少なくとも市役所の伏魔殿である市長と労組の癒着を
断ち切ろうとしている態度にはほとんどの市民は賛意を示しているのではないか。

 この文章を書いている時に今度は大阪市交通局が独自に部局幹部及び職員に組
合との関わりについてアンケート調査を実施したところ、人事などについて組合
に事前に交渉したことが明らかとなるとともに市議会交通水道委員会では、組合
が当時の平松市長支援の選挙ビラを発行していたことがわかり、公選法違反の疑
いがあることがわかった。橋下市長はこのことが事実とした場合には、刑事告発
も辞さないとしている。

 これまで市と組合の癒着についてあると言われながら、具体的実態はほとんど
公表されることがなかったが、市長の毅然とした姿勢に対して交通局自身が実態
調査に乗り出し、しかも公表したことは労組支配を脱却しようとする自浄作業で
あると期待したい。

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