■土砂流災害と憲法改正問題
ようやく夜も虫の音色も聞こえるようになり、秋の気配が感じられるようになっ
てきた。
毎日のように青山先生の講演会の呼びかけの準備をし、また各議会に対して憲法
改正を求める意見書の決議を挙げて頂く事を働きかけたり、これから憲法改正実現
に向けて1000万名署名をどのように展開していったらいいのか考えを巡らしていく
うちにあっという間に8月が過ぎ去ってしまったという感がある。
今回の広島市内の集中豪雨による土砂流災害は甚大な被害を齎したが、亡くなら
れた方々には心からご冥福を申し上げたい。
そうかと思っていたら今週は大阪でも池田や箕面市でも豪雨にみまわれ、一時は
避難勧告が自治体から出されるなど、自然災害の猛威は明日は我が身にも迫ること
を痛感し、この夏はつくづく危険はどこにでもあることを痛感したのだった。
このような感慨を持ったことは近年なかった。やはり列島全体が、何か人々に伝
えようとしている天の声があると思っても不思議ではない。
ここでどうしても憲法の問題に思い当たってしまう。
これまでの土砂流防止法では土砂警戒区域の設定がスムーズに運ばなかったこと
によって、土砂流被害の可能性の高い地域住民の危機意識を薄めるとともに、十分
な対応がなされなかった実態をみるときに、今の憲法のままでは人々の生命を守る
ことができない、身に危険を感じるという切迫感も持つことができないという視点
を持つことこそ重要であると思い至るのである。
甚大な被害が予想される時には、空振りをおそれない対策が必要とよく言われる
が、空振りをおそれないということは、これまで憲法改正をすることが大変なリス
クになるという慎重な態度こそ問題であるという結論になるのではあるまいかと
思ってしまう。