■朝日の「慰安婦」報道を考える
去る8月5~6日にかけて朝日新聞はこれまでの「慰安婦」報道を検証、特別に
連載、済州島での「強制連行」を実際に実行したと証言していた吉田清治氏の証言
は事実無根で証拠性がないことから記事取り消しを認めるとともに、「慰安婦」と
「女子挺身隊」とを一時期まで混同・誤用していたことを認めることを公表した。
小生も詠みたくもない朝日の連載については、購入し一字一句、じっくりと読ん
でみたが、なんとも弁解がましく、さらに検証といいながら謝罪の姿勢を見せるこ
となく、逆に自社の報道姿勢は正しかったと言わんばかりで気分が悪くなった。
さらに朝日の検証記事が出た第1日目は、テレビ報道ではこのことについてほと
ん触れられなかったことも疑問であった。
記事の訂正までに32年間の経過を経、すっかりと世界に対して「慰安婦問題」の
存在を発信し、日韓関係の混乱させ、国家、国家国民の誇りを損失した影響を考え
るとその罪の大きさは甚大なものがある。
しかし一方で、元慰安婦の証言の真偽については曖昧して、その内容については
否定することなく、今後も本人の意思に反した行為については追求ししていくこ
と、挙句の果てには、慰安婦問題の本質は戦時下での女性の人権問題をどう考えて
いくのかという点であるとして、論点をすり替えることとなった。
これに対して産経は今年の正月に始まり、朝日の「慰安婦」報道に関して、事実
をしつこい程、提示して批判をしてきたが、思っていた以上に朝日購読者に浸透
し、朝日を追い込んできたことがわかった。
今や、韓国のロビイストにより、米国での慰安婦像の建立は一つの流れが出て来
てしまっており、わが国が慰安婦を「強制連行」したという戦時の「汚点」を拭い
去るには多大な労力が必要となってしまった。
今度は国会で朝日の報道を検証することも考えなければならないということを言
うと、言論の自由に国家が介入することは許さないという左翼ジャーナリストは声
高にいうから始末におえない。
ただし、国民は「慰安婦問題」について正確に情報を得ようとしている流れは止
めることはできず、朝日の検証報道は断末魔の悪あがきであるということを知りつ
つあることを明確に示したものとなっている。
まだこの検証報道の余波はこれから続くものと思われる。