■遷御の儀に「日本再生」「日本興隆」を祈る
昨日10月2日の夜、神宮では内宮遷御の儀が無事、滞りなくとり行われた。20年ごとに行われる神宮の式年遷宮の最大のクライマックスであり、皇室代表として秋篠宮殿下、政府を代表して安倍首相をはじめとして、3000名の奉拝者が浄闇の中をご神体が渡御する行列を見守った。もちろん全国の国民がテレビやネットを通じて、その様子を垣間見る機会に恵まれ、国のいのちのよみがえりを確信することができたのではなかったかと思う。その意味では、多くの人々が遷宮を知ることはいいことだ。
何故といって、心なしか帰りの電車に乗っている人の数が少なく、皆、この大きなお祭りがどのようなものであるのかを固唾をのんでこの目に焼き付けようとしたのではなかったか。
カメラを通して、遷御の儀を始める前の「カケコー」が旧社殿から響き渡り、松明にいざなわれながら、150名の神職がご神体をお移しになる様子は、実に幻想的であり、この世に本当に天照大御神様がおわしますと思われるほど、身に迫ってくる程の重層感を感じた。
常に天照大御神様の御稜威が新しく輝いて頂きたいという、日本人の祈りと願いが1300年間という気が遠くなるほど時間の中で、20年ごとの遷宮を実現させてきたわけであるが、「日本再生」「日本興隆」を実現させようとする機運は、どんな状況の中でも俊敏に力強く対応していこうとする前向きの生命力を感じるのである。
万世一系に続いてきた皇室の伝統を覆す可能性があった女性宮家創設問題が頓挫し、7年後には新しい東京五輪が開催され、世界の中の日本を強くアピールする機会が与えられるという、まさに国運が上向きになる流れの中で、この式年遷宮こそわが国の再出発であり、時代を切り開いていく力となることを強く確信した。