■女性の会教育講演会に280名が参加
~講師に俳人の黛まどか先生が、俳句を通じて、日本人の美点を語る~
昨日6月29日(土)の午後、大阪府神社庁会館5階において日本会議大阪女性
の会が主催して第12回教育講演会が行われ、地方議員2名の他、会員、一般府
民約280名の参加者があり、会場一杯の盛況となった。それも女性の会が8割
近くを占めており、女性の会主催の意義があった。
6月は日本会議大阪設立15周年記念講演会や天皇皇后両陛下の大阪行幸啓に合
わせての提灯奉迎など大がかりな行事が続く一方、教育講演会の準備については
案内チラシが3月には完成し、各行事で配布、各団体へ参加の呼びかけを行った
り、女性の会独自で協賛金のお願いをしたり、講演会の企画についても女性の会
の理事会を何度も開催するなどして、講演会を成功させるという目標を明確にし
て地道に推進してきたことが、参加者数に現れた。
講演会では最初に村上知永子・女性の会会長より、これまでは伝統に則った親
や子供の教育、家庭のあり方を中心に取り上げてきたが、今回は万葉集や源氏物
語など、日本人の詩歌の中に日本の高い精神性を継承してきた言霊や文化の重要
性について学んでいきたいと挨拶があった。
続いて辻淳子・日本会議大阪地方議員懇談会女性部長から来賓の挨拶があった。
そして早速、講師である俳人の黛まどか先生から「引き算の美学―もの言わぬ
国の文化力」と題して、約80分のお話があった。
黛先生といえば、女性俳人として数々の賞を受賞し、俳句の世界では確固たる
地位を築くだけでなく、オペラ「万葉集」の台本を執筆したり、ニューヨークに
て福島への応援歌「そして、春~福島から世界へ」の作詞など、多彩な活動をさ
れている。
先生は俳句という文化の中に余白を察し、言葉の周辺にあるもの、実態の背後
にあるもの、見えないものを感受するとともに、自己と自然とを一体化し、自然
や他の命を尊ぶこと、有季定型の中に型を重んじることによって、外国にある自
由詩以上に自由になることを、フランスに滞在した時の体験、また東日本大震災
で被災された人々が紡いだ俳句などを挙げながら説明された。そしてこのような
俳句精神や理念は、世界が抱えている紛争や環境問題などの解決の糸口になり得
るとされた。
とくに言葉で言いおおせない、すぐに白黒をつけずに曖昧の時間をつくりなが
ら、何かに委ねようとする心の動きに安寧の精神も生まれてくるなど、日本人の
研ぎ澄まされた感性が把持されてきたと話され、それこそが美点であるとされ
た。感覚的な問題を扱っているにもかかわらず、決して観念的なものでなく、静
かに自分の感情と比べてみて具体的に考えることができたのは先生一流の言葉の
使い方であったように思った。
質疑応答では、結論を出さずに曖昧にしておくという美点が、近隣諸国の圧力
に対しては対応できないのではないかという質問に対しても、文化は文化として
外国に対して説明していく努力が必要であるとして、強い姿勢で臨むべきである
とされ、合点がいった・
その後、事務局からの活動報告、濱野矢代依・運営委員長からの閉会の挨拶が
続き、普段なかなか味わえない文化、言葉の香りを実感した。
会場舞台には村上会長自らが活けた生け花も設けられ、役員各自の特色を生か
した講演会となった。