■レーダー照射を全面否定した中国
予想していたように中国は海軍による海自護衛艦への射撃管制用レーダー照射
について、「艦載レーダーで正常な警戒監視を保った」とし、日本側が対外公表
した内容は事実に合致しないと回答してきた。わが国が抗議をしてから2日間の
沈黙は結局のところも、全面否定という結論を出すためにあったわけである。
小野寺防衛相は今回の事案について慎重に精査したとのことであるから、この
まま中国が頑な姿勢を続けるのであれば、国際的に公表すれば真偽の程は自ずと
明らかとなる。
それにしても誰でもわかっていることを否定する厚顔無恥の態度にこそ、この
国当局の異常性を改めて実感する。
青山繁晴氏によると、中国による射撃管制用レーダー照射は、前政権時代から
既にしかけられているようで、それを防衛相が官邸に上げても何の反応もなく、
国民に意図的に隠していたというし、政府当局と軍に連動性があるかどうかに関
わらず、中国は長期的計画の中で、ついにレーダー照射をして交戦の意図を示す
ことになったと考えた方が自然であるということだった。
今回の事案は尖閣諸島近海では、海自と中国海軍による「にらみあい」だけに
すみそうにない気配の中で、わが国政府の揺るぎない姿勢を取り続けることである。