■皇室、憲法、防衛問題を真正面から論じた論戦
国会では冒頭より安倍政権の皇室、憲法に対する姿勢が明らかとなった。安倍首相の所信表明演説では、経済再生、震災復活、領土・領海・領空を断固守る決意と防衛費の増加、日米関係の強化、拉致事件の解決、そして議員、国民一人一人が課題を自ら解決していく責任が問われることを力強く語った。
そして昨日の維新の会の議員団代表の平沼氏が、最初に地元岡山県の陽明学者、山田方谷が備中松山藩の藩政改革し、効果を挙げた歴史を詳細に語り、行財政改革の範をここに求めるべきとの紹介をされ、所信表明では触れていなかった皇位継承問題と憲法改正問題、安全保障問題を真正面から取り上げ、安倍政権の姿勢をただしたのである。
普通の議員の代表質問であれば、これだけ長い時間を使い、しかも所信演説に触れていない点についての質問はなかなかできないものであるが、流石に平沼氏の演説の前にはアジはあっても申し訳程度で、誰も口には出せなかった。そして、聞く者をして国の歴史、国益とは何であるのかを考えざるを得ない雰囲気をつくっていた。
これに対する安倍首相は前政権が画策してきた女性宮家創設問題は明確に白紙とし、男系男子継承の歴史を大切にすることを述べ、また憲法改正についてはいろいろな意見があるが、とりあえず改正条項である96条の改正を目指して意見を集約すること、防衛費アップに言及した。その意味では、このやりとりの意義は大きかった。
また維新の会が明確にわが国の歴史と国益を守るために皇室問題と憲法問題、防衛問題を取り上げ、政権の姿勢を問いただしてことは、野党の立場でなく、国家基本問題については自民と歩調を合わせるか、それ以上に自民を牽引していくことが明らかとなった。その意味では、いままでの国会の模様とは異なっていることを実感し、維新の会の動きが今後、どのように自民と相提携をしていくのか注目される。