■海洋工作会議で尖閣パトロール常態化を決定したことの意味
昨年9月以降、尖閣周辺は海域、空域と公船だけでなく、軍艦と軍用機が常時出ており、明らかに我が国に対して圧力をかけてきている。最近では、軍用機が識別防空圏周辺に出没し、航空自衛隊が何回もスクランブルをかけている事例も頻度が多くなっているとともに、どうも国民はその事実を知らされないで来たようだ。既に海洋監視船が出ているときには、その北方にはフリゲート艦が停泊していることもはっきりしている。
海洋工作会議で国家海洋局が尖閣パトロールの状態化することを活動方針に決定し、公表したことの意味は、確実に中国の戦略が一つ、次元が上がったことを意味している。
●尖閣パトロールを常態化 中国が海洋工作会議 共同支配既成事実化が狙い?
[産経ニュース 2013.1.10 14:18 [中国]より抜粋]
【北京=矢板明夫】中国国営新華社通信によると、10日から北京で始まった中国全国海洋工作会議で、2013年の活動方針として、沖縄・尖閣諸島(中国名・釣魚島)の周辺海域に対する中国国家海洋局によるパトロールの常態化を継続することが決定された。
日本政府が尖閣諸島の国有化を決定した昨年9月中旬以降、中国の公船による領海侵犯が繰り返されており、昨年12月13日に、同じく国家海洋局に所属の飛行機による領空侵犯もあった。中国は今年、こうした挑発行為を常態化させれば、同海域における緊張がさらに高まりそうだ、
尖閣問題では、昨年12月中旬に北京で行われたシンポジウムで、習近平総書記に近い上海復旦大学の沈丁立教授は「軍事衝突を避けるため、日中双方による同諸島の巡回時間をずらす「時空交錯案」を提案したことが注目された。日本政府に圧力をかけて、中国側のパトロールを黙認させることで、「実質の尖閣諸島の日中共同支配」という既成事実を作り出したいとの狙いがあるとみられる。
中国全国海洋工作会議は海洋権益に関わる政府各部署の責任者と地方の担当者が集まり方針を決定する。