■意見公募の結果をどう見るか
19日に「皇室制度に関する有識者ヒアリングを踏まえた論点整理」に係る意見
募集の結果が内閣府のホームページにも掲載されたが、ご承知の通り、26万7千
件のうち、多数が「女性宮家」創設には反対の意見だったという。
多くの国民が万世一系の皇室の伝統を覆す可能性の高い「女性宮家」には違和
感を持ち、何か政府のやろうとしていることは長い日本の歴史の流れとそぐわな
いことを明確に示したものではなかったか。
とりわけて皇室典範改正準備室による意見公募の全体の分析が、「皇位継承の
在り方と切り離して議論を行うという今回の検討の前提に疑義を唱える立場か
ら、論点整理で示された考え方自体に反対するとの御意見が極めて多く寄せられ
ました。」と指摘しているように、皇位継承のあり方をはずした形での「女性宮
家」創設を論じること自体、そもそも無理があることを自ら認めるものとなって
いる。
この意見公募の結果と次期首相に就任いる予定の安倍自民党総裁が「女性宮
家」創設反対の立場であることから、来年の通常国会で皇室典範改正案が上程さ
れることはどうやらなくなったようである。
しかし、今後、このような論を出そうとして画策してきた「皇室典範改正準備
室」がどうなっていくのか注目したい。
また、今後は「女性宮家」創設の議論は中止になるものの、旧宮家男系男子孫
の皇籍復帰こそ、皇室の伝統を守っていくことになることを広く啓発していくこ
とがより重要になっていくことを肝に銘じたい。