■北朝鮮、ミサイル発射の暴挙
北朝鮮が昨日12日、早朝にミサイルを発射するという暴挙に出た。国際的にも
打ち上げ中止を求め、その後の厳しい制裁決議がなされる可能性があるにもかか
わらずにだ。しかも韓国の情報によれば、ミサイルの1段目に不具合による技術
的欠陥があったと公表し、発射を29日にすると予告、1週間は再打ち上げまでに
かかるだろうと誰もが予想していたために、意表を突かれた形となった。
幸いにして、2段目までの残骸は黄海とフィリピンの海上に落下し、被害がな
かったようである。
それにしても情報が交錯したのかわからないが、我々国民も全く知らないうち
の発射となったことには肝を潰したが、Jアラートなどによって警戒情報によっ
て、沖縄県の自治体には瞬時にその警報が入ったことは4月の教訓を生かすこと
ができたのではなかったか。
それにしても北はどのようにしてミサイル解体から瞬く間に復旧したのか、あ
るいは米国の衛星にキャッチできないところに別のミサイルを隠していたのか、
液体燃料を注入したのか、疑問だらけであるが、長距離弾道ミサイル発射の技術
能力を増したこと、核弾道弾を持つ手前まで来ていることがわかった。
かつ、わが国との関係でいけば局長級の日朝会談が延期になることは確実であ
り、北当局はこうなれば、このようになるという予見よりも、とにかく金正恩体
制の下、年内発射の成功を勝ち取らなければならなかったことを考えると、国際
常識の枠組みを超えた、はるかに危険な国を隣国にしていることに、さらに危機
感を持たなければならない。
今後、長距離弾道ミサイルが我が国や米国本本土を照準にする場合、わが国は
現行憲法第9条の専守防衛と集団的自衛権の行使を否定する解釈では、全く立ち
行かないことを、多くの国民はわかっている。
選挙戦の中でも、このミサイル発射問題に触れなければ、国民の安全を守るこ
とばできないこととなり、この点も各党、各候補者の主張で入るかを注目したい。