大津市内のいじめによる中学生の自殺事件が大きな社会問題としてこのとこ
ろ、報じられている。事件直後に自殺した中学生の親の要望で学校側は2回に及
ぶアンケートを行い、生徒から明らかに3人の中学生からいじめを受けている様
子を把握していたにもかかわらず公表せず、また市教委も同じ姿勢であった。市
教委に至っては、一昨日までは「いじめが自殺の原因の一つになっている」と認
めたものの、他人事のような素振りであった。
結果、県警が学校や市教委への捜査ら乗り出し、文科省も調査に乗り出すこと
となった。
何が一番悲劇であるかというと、保護者、生徒と先生との間の信頼関係がなく
なったことであり、これで果たして教育は成り立つのかということである。なん
といっても先生に対する保護者と生徒の深い信頼関係や尊敬の念がなければ向学
心と困難な問題を克服しようとする強い意志など、つくりようがない。
学校と市教委は、都合の悪いことは一切伏せようとする保身によって、生徒
に生きる力を育むことを奪ったのであり、その責任はとてもなく大きいのではな
いか。およそ、教育に関わる者であれば、常に覚悟しなければならないことを忘
れていたのではないか。