結局、消費税増税関連法案は、小沢氏をはじめとする反対派グループの造反を
出したものの、衆院で可決された。今後は実質、参院で法案がどうなっていくの
か、民主党分裂のひきがねとなった小沢グループが新党を立ち上げることとなる
のか、総選挙がどうなっていくかに焦点が絞られていきそうであるが、国民のほ
とんどは政局になるこの様を苦々しく見ていたのではなかろうか。
典型的なのは昨日の昼間からのバラエティー番組で法案可決がなるのかどうか
を興味本位で映し出されていたことだ。もはや国会の状況が茶の間での「お笑
い」と一緒になって、コメントされているのである。
それでいて、消費税増税及び関連法案、税と福祉の一体化法案が成立すること
が、現状より改善されることとなるのか、そうならないのか、ほとんどの国民に
はわからないのではないか。素朴に考えると、消費税をアップさせなければもは
や年金制度は維持できないことは誰の目から見ても明らかなことである。増税が
導入されることによって、景気は冷え込むことになるのか、その根本的なところ
は、ほとんど議論されなかったのは事実であり、また消費税をアップすることを
野田首相は政治生命を賭けるとしたが、与野党を越えた技術的な問題について政
治生命を賭けると言っていいのか、これとて疑問である。
参院の審議でもまた政局絡みとなるのか、わからないが、「何も決められな
い」政治を繰り広げているのは党の結束を謳っている民主党であり、自民党であ
り、今のままでは何も変わらないような気がするのだ。