■皇室の伝統、領土領海を守る組織の拡充を期した平成24年度総会
昨日6月9日(土)午後、大阪府神社庁会館5階において、「難局を克服する保守勢力の結集を!」と題して、日本会議大阪の平成24年度総会を開催、国会議員2名(本人)、約20名の地方議員、中山太郎・前衆議院議員をはじめ会員、一般府民約280名が集まったが、現下の内外の政治情勢に憂えた人々で場内は一杯となり、熱気が漲っていた。本会が設立されてから、この総会をもって14周年を迎えることともなった。
第1部の総会では次第に先だって、三笠宮寬仁親王殿下のご薨去に対して心からの黙祷を行い、国歌斉唱、日本会議綱領唱和、千家・議長が主催者の挨拶、来賓紹介に続いて来賓挨拶を長尾たかし・衆議院議員、北川イッセイ・参議院議員が行った。とくに長尾議員からは超党派議員が国政調査権を使って尖閣沖の洋上視察に出かけていることや、来週から決算行政監視委員会で尖閣諸島への課税調査についての政府の態度を質す予定であることを紹介され、マスコミの情報では得られない国会の動きを得ることができたことは大きな収穫であった。
その後、議事に移り、規約に則って衞藤・運営委員長が議長として議事を進行、昨年度の事業報告を芦立・事務局長、地方議員懇談会の報告を髙野・会長が行い、続いて、各支部、女性の会の活動内容のポイントを吉田・北摂支部事務局長、中島・北河内支部事務局長、中東・中河内支部支部長、北岡・泉州支部支部長、南坊城・南河内支部支部長、丸山・女性の会理事から報告した。それぞれ短時間であったが、的のついた発表は参加者にとって、日本会議大阪の具体的な活動の広がりを把握してもらう上で大きな意義があったと思う。
続いて昨年度の決算報告を事務局から行い、北岡・監査による監査報告、再度、事務局から今年度の事業計画案及び予算案を発表し、拍手で全ての案件について承認を頂いた。
今年度の運動方針の概要は、以下の通り。
- 1.府下各議会で「尖閣諸島の実効支配を推進する決議」を挙げていくこと。
- 2.政府による「女性宮家」創設問題に対して、皇室の伝統を守る世論を喚起するために、10月末までをメドに各界各層の人々を集めて「皇室の伝統を守る 大阪府民の会」(仮称)を設立すること。
- 3.英霊顕彰の新聞広告を8月初旬に掲載するとともに、8月15日に地方議員に靖國神社・護國神社参拝を働きかける。また、10月4日~5日に靖國神社参拝ツアーを組む。
- 4.会員拡大 目標2350部を達成する。
最後に、森山・運営委員の先導で聖寿万歳を行い、総会は滞りなく終了した。 全体として非常にメリハリのきいた充実した内容であった。
続いて第2部の記念講演では日本大学教授の百地章先生が「女性宮家創設の問題点-皇室の伝統を踏まえた国民的議論を」と題してご講演、いわゆる「女性宮家」問題についてご自身も招かれた第3回ヒアリング以降、読売、毎日の論調が賛成一辺倒から両論併記となり、流れに変化が出てきたことを最初に紹介された。また政府内のこの問題の準備室のメンバーの中には最初から結論ありきではないことも指摘された。
以下、講演要旨を列挙する。
- 「宮家」(世襲親王家)は、歴史的に皇位継承権者を確保し、皇統の危機に備えるものであるから、そもそも「女性宮家」などは意味のなさないこと
- 「一代宮家」の創設は、「親子別籍」「親子別姓」「親子別家計」とでもいうべき奇妙な「家族」が誕生するが、「制度設計」上、支障が生じること
- 最大の問題点は、皇室と無縁の、国民に全くなじみのない「民間人成年男子」が結婚を介して、突然に皇室に入り込んでくること
- 問題の発端となった天皇陛下の「ご公務のご負担軽減」については、まずご公 務の整理・縮小することが喫緊の課題であるが、「祭祀」、「国事行為」以外で陛下をお支えするために、女性皇族について、婚姻による皇籍離脱後も特例として「内親王」「女王」の「尊称」を認め、直接、陛下を公的にお支えするシステムを構築すべきこと
- 元皇族の男系男子孫による「皇族」身分の取得と「男性宮家」の創設が実現できれば青年皇族の誕生として、夢のある話となり国民にも希望を与えることができるではないか
以上、皇位の安定的継承のためには、いろいろと考えられる方策があり、内閣準備室に要望をどんどん出してもらうとともに、女性宮家の問題点について多くの人に語っていってほしいと語られた。
重大問題を非常にわかりやすく解説され、参加者はじっくりと聞き入っていた。
この日をスタートに、大阪の国民運動の中心的拠点として、頑張っていくことを決意した総会となった。