■歴史観をそのまま表現した菅前首相
本日5月29日(火)午後から和歌山市内で神政連近畿地区協議会があり、小生も参加してきた。来週6月4日(月)にはまた同じ会場で日本会議近畿ブロック理事会が開催されることとなっているが、参加された、ほぼ半数の方が同じ顔ぶれとなるが、神政連と日本会議がそれぞれ担っている部分を相提携していくと大きな力となることを確信した。
今回の会議では神政連各府県本部が積極的な活動をしていることが把握できるとともに、来年の参議院選挙についてのシビアな議論がなされ、参加してよかったと思っている。
さて、それにしても国会事故調査委員会での東京電力福島原発事故の検証作業の中での菅氏の参考人聴取の内容では耳を疑うものばかりであり、当人は事故の拡大が最高責任者たる自分にあるという自覚はほとんどなかった。
唖然としたのは、最後の弁解での「原子力ムラ」について以下のように論じたことだ。
戦前、軍部が政治の実権を掌握していた。そのプロセスに、東電と電気事業連合会を中心とする、いわゆる原子力ムラと呼ばれているものが重なってみえた。私は今回の事故を体験して最も安全な原発は原発に依存しないこと、つまり脱原発の実現だと確信した。
東電と電気事業連合会を中心とする原子力ムラのどこが「戦前の軍部」なのか、これまでの原子力による恩恵を忘れて、一方的に「軍部」という言葉で否定しようとする厭らしさは、戦後左翼の思考回路と全く同じである。この人は戦前=悪、軍部=悪、戦後=善という歴史観をそのまま政治という舞台で表現した典型的な人物であることがわかり、実に後味の悪い聴取であった。こんな人物に一時であるとはいえ、国政のかじ取りをさせてしまったことを我々は反省しなければならない。